たまき

ドラマ、映画感想をゆるゆると

『あのときキスしておけば』第4話までの感想(最終回後追記あり)

松坂桃李麻生久美子井浦新の入れ替わりラブコメ。キャストが最高だったので何となくで4話まで見てきたけれど、色々思うところがあるのでまとめてみた。

 

総評

話は面白い。

面白いんだけど「こういうイチャイチャ好きでしょ…?」という公式の下心が結構見えるのでちょっとマイナス。

それから愛を深めていくであろう巴と桃地がなぜ好き同士なのかがいまいち見えないのでやっぱりちょっとマイナス。

以下気になる点。

 

巴と桃地の関係性

桃地は推しが目の前にいて自分を必要としてくれていることに幸福感を感じ、巴の無理なお願いも「蟹窯先生が言うんだから」としっかりこなす。巴の方も、「自分の作品を本当に愛している人を周りにおきたい」と考えていたのでWIN-WIN(←桃地の負担がだいぶ大きいけど) 

極端に言えば、お互いに利用している関係なんだなと思っていたんですよね。みんなが知らない蟹窯ジョーの姿を見せる代わりに、作品に理解ある人を近くに置いて自分のメンタルを保つという。

でも1話でソファに座ったと思ったら

急にキス…!!!!!!!急に沖縄旅行!!!!!!しかも同じ部屋!!!!!!!

 

まぁここまではタイトル回収のための演出かなと理解。

なおかつ巴は元夫とも気まずくならず結構グイグイ行っていたので、人に依存しやすくて常に自分を理解してくれる誰かをそばに置いておきたいタイプのように見えた。だから桃地を選んだのは桃地が『SEIKAの空』の大ファンだったからであって、別に桃地じゃなくてもよかったんだろうなぁと思っていた。

でもね…4話でマサオの奥さんに桃地のこと

 

「恋人では無いけど沖縄に行くくらいの仲ではありました。唯月巴と付き合っていたんです。

え、

付き合ってたの????????

 

個人的に桃地は巴自身ではなくて蟹窯ジョーを「推し」として好きだっただけで巴は恋愛対象ではないし、巴の方も桃地を可愛いとはいえ恋愛対象では無いと思っていたんだよな。

特に桃地が巴を好きになったとしても巴の方から桃地を好きになることはないと勝手に思っていた。巴が桃地にわがまま言って依存気味なだけで、桃地じゃなければいけない描写ってなかったような気がする。一方で、桃地が巴を好きになるきっかけになる描写は各話に散りばめられていた。巴が現実に絶望しつつも『SEIKAの空』を描き続ける強さとか、子連れの妊婦さんに手を差し伸べる優しさとか。(ただこれも「あのわがままな蟹窯先生が」漫画を描いている/人に優しくしている、という「蟹窯先生」の留保付きのもの。巴そのものの魅力として見てはいない気がする。)

来週、巴元夫(高見沢)×巴×桃地の三角関係に発展していくそうなので、桃地→巴 巴→桃地 の答え合わせができたらなぁと思う。

 

巴と高見沢の関係性

編集社のメンバーが揃って「幽霊だ」と騒いだ時、高見沢さんだけ「蟹窯ジョーは生きてる」と確信した時からジワジワ思っていたんですが、この2人最高過ぎる。

1話の2人のやりとりを見ると巴の方が高見沢さんに甘えていて、高見沢さんの方がちょっと鬱陶しがっているのかと思ってたんですが、巴がいないと生きていけないの高見沢さんの方じゃん…喧嘩ばかりになって大嫌いになる前に、他人としてでもいいから一生関わりを持とうとしてたんだ……この2人の構図が最高にツボだった。「生まれ変わっても君を愛する」の今世版(?)

「1人で背景も全部自分でやってんの」が第一声にくるあたり、高見沢さんが巴を1人にしてしまったことへの後悔が滲み出ていて、巴への愛に感動した。巴と高見沢さんは復縁しなくてもいいからよきバディとして一生一緒にいて欲しいと思う。

懸念しているのは、今回の「〇〇な巴だよな?」と次回予告から滲み出る高見沢さんのトンチキ臭。『奪い愛、冬』(『M 愛すべき人がいて』は未視聴)の時と同じ目をしている三浦翔平。心配。

 

巴とマサオはどうなるのか

今までは単に「巴の肉体は亡くなって魂が生き残った」「マサオの肉体は生き残ったけれども魂は亡くなった」という2つの事実があって、片割れ同士がくっついた結果、田中マサオの心が唯月巴になったんだと理解していた。でも4話で「田中マサオの心はどこに行ったんだろう」との言及があったということは、田中マサオの魂は生きている可能性があっていずれ肉体に戻る結末を迎える可能性もなくはない気がしてきた。

そうだとすると、巴の魂は戻る場所がなくなって本当の意味での死を迎えることになるのかな…

仮にうまいこと甦ったとしてもゾンビ映画感があるし、このままマサオの肉体のまま生活するのも可哀想だし、結末がものすごく気になる。

 

【最終回を見ての追記】

結論から言ってめちゃくちゃ良いドラマだった…上で「え?付き合ってんの??」とか文句言って本当申し訳ないという気持ち。

巴、最期の時間を桃地と過ごせてよかったね…もしかしたら彼と出会ってしまったから飛行機で命を落とすことになったかもしれない。でも、自分の作品を心から愛している人に出会ってその人と一緒に最期の時間を過ごせたなら、彼女にとってそれが1番良かったんじゃないかなと思う。自分の味方でいてくれた高見沢さんは熱が入るあまり同志になっていって、巴にとっての味方ではなくなってしまった。そして社長は自分の漫画を読んでもいない。わざわざエゴサをしてまであんなに傷つく巴。そんな中、ただ自分の作品を愛してくれる人に出会えた巴はきっと死の瞬間も幸せだった。

対して桃地は今までも人から愛されてきたけれど、彼にはその愛を受け止める覚悟がなかった。でも巴に出会って、無償の愛を与えてもらったことで、彼は人を愛し人から愛される人にまで成長したわけです。この成長そのものが巴が桃地に残したものであり、それを抱いて桃地はこれから生きていく。巴のいない世界でも大丈夫。「巴が残してくれたもの」の説得力が大きいし、大変自然だった。良かった。

3ヶ月間楽しませてもらいました。ありがとう!!!